3月19日 異世界
2006年 03月 21日
予想外のものに高い値段がついていたり、高いと予想したものの10倍くらいの値段がついてたりする。
そういった値段でそういうものを売っている店があるという事実が、自分と違う価値観を持った人の存在を如実に感じさせる。
金はあるとこにはある。
これ、先月くらいからやたらと実感している。
金ある人は使ったほうがいいですよ。
ある人が使わないとない人のところに回ってこない。

向こうの人達は、8年ぶりに会った僕の変貌振りに、驚きひとしおだったみたいで、「和くん、面影が全然無いな~!」と口をそろえていた。
被害妄想の強い僕は、「8年間も顔を見せなかった僕に対する嫌味か!?」と疑心暗鬼に陥ったものだが・・・
まぁそんなことはさておき、僕がすごく驚いたのが、向こうの人達が8年前と全く変わっていないことだった。
容姿・しゃべり方・ノリ・僕に対する接し方・・・
どれを取っても何も変化が見て取れない。
ほんとに1人だけ8年前にタイムスリップしてきたみたいで、「逆浦島太郎」みたいな戸惑いだけがあった。

そんな戸惑いをよそに、向こうの人達は8年前と同じしゃべり方とノリと接し方で僕にガンガン質問をしてきた。
「和くんは去年は何しょうたん?」
「あっ、去年は中学で非常勤講師をしてたんですが・・・」
「そうなん!そりゃあ大変じゃったろう!」
「いやぁ・・・まぁそれなりに大変でしたけど・・・」
「将来は教師になるん?」
「いやぁ・・・まだ迷っているところでして・・・」
親しみのある岡山弁での質問に対して、終始よそよそしい標準語敬語で返す僕。8年前と全く変化のない人達の中に、8年前の面影が全然ない僕がいて、8年前と同じ様にかけっぱなしのAMラジオからは場違いな音楽が流れてくる・・・
僕以外は8年前と全く同じなんだけど、僕にとってはものすごい異世界でした。

8年前と容姿が変わってないと思ったのは、実は僕の目が悪いせいだったんですね。みんなこの8年でシワが増えたんだけど、その分僕もこの8年で視力が低下したから、裸眼で見てたときはみんなが前より老けたことに全然気付かなかっただけなのでした。
逆浦島太郎がメガネをかけたとたん、周りの人達は突然老人になってしまいました。
「逆浦島太郎」にとっての「玉手箱」は、「メガネ」だったのでした。