政治活動

【最終回】今が大田原の未来を考え、語らなければいけないとき…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑩

【最終回】今が大田原の未来を考え、語らなければいけないとき…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑩_b0063162_08011094.jpg
(夜明け前の蛇尾川 令和2年3月撮影)

『給食費無料化について、教育委員会が考えること、星が考えること…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑨』の続きです。


子育て・教育施策を通して見た場合、令和2年度に教育現場の会計年度任用職員の人数を減らし、今年急激に02歳の保育料を元に戻し、また第2子の保育料を上げて負担をしてもらうことになりました。給食費の補助は、8割から5割になりました。

他にも様々な施策が変更や縮小・廃止になっています。まずは、自分本当に私たちが望んでいる市民サービスのバランスなのかということを考えて、議論して欲しいと思います。


とある市民の方から「私は子どもの給食費の4000円は払えるが、学校の教育の質を上げたり、保育園を作ったりするためにお金を払いたくても払うことができない」という意見をいただいたことがあります。給食費は自分で払えるから、そのお金を教育の質の向上や、別の子育て施策に充ててくれ、という意見です。ここには、行政は行政にしかやれないことをしっかりやってくれ、という期待も込められている言葉だと思い、胸に刻んでいます。


私は、給食費の無料化は、教育の質を下げて、保育料を1年半前の水準以上に上げてまで続ける施策であるとは思っていません。教員の数を減らす前に、第2子の保育料を増やす前に、給食費無料化のあり方の方をよりしっかりと見直すべきだったのではないかと思っています。いきなり全部の補助をなくす、ということもまた世代間の公平性や負担像への配慮に欠けますが、例えば、今まで無料化の恩恵を大きく受けてきた中学生から補助の額を減らすか、廃止するなどの対応をとることはできたのではないかと思います。


また、今回は私達議員に予算の全貌が示されるより前に、既に保育料の変更も含めた各種の制度変更が徐々に市民に示されていく、ということになりました。大きい負担像もあるため、情報を早めにお伝えしなくては、という市職員の動きは理解するのですが、議会が予算を審議する段階では既に広報等で「こういう風に制度を変えます」ということが市民に示された後、ということになります。仮に議会が権限を使って議案を修正し止めたとしたら、混乱を招くとも感じました。また、議会は予算の修正権をもっていますが、予算の提案権は持っておらず、市長から提出されている予算の趣旨を損なうような修正は行えないことになっています。この範囲の中で、議員・議会にもっとやれることはなかったか、いくつか思う事はあるのですが、今後議会改革の動きの中で提案をしていきたいと思います。


また、今回の保育料の改定については、議会の議論を経ていません。保育料は、条例ではなく、条例の施行規則として決められているので、議会を通さず変えることができるのです。他の自治体では保育料条例の様な形の条例にして、議会の議論を経ずに保育料の変更ができないようになっているところもあります。保育料のような、大きな額が市民に求められるものは、条例化して、しっかり議会で議論をする必要があるのではないかとも感じています。


そういった意味で、様々な課題が浮き彫りになった議会だとも感じます。今後、調査し動きをとっていきたいと思っています。


さて、現在の津久井市長の3期目の任期が終了するまで、1年を切りました。

そこで立候補する人に、何を求めるか。どんな大田原を求めるのか。

コロナ禍で、人が集まる場が減り、市政やまちづくりについて語り合う場も雑談も減ってしまいましたが、今が、今が大田原の未来を考え、語らなければいけないときだと感じます。


昨今、全国の首長選において、自治体財政を顧みないバラマキの公約を掲げる候補の話題を耳にすることが増えました。自治体の力を超えた無理な政策は、必ず市民に負担が行くことになります。選挙によって選んだ首長と議会の判断の結果が、自分達の生活に跳ね返ってくるのが、自治体における地方自治の仕組みです。

市の政治の質は、市民の議論や世論形成によってしか高められないと感じています。私も、もっと市の政治・施策と自分たちの生活について語り合っていきたいと思います。まず、心置きなく話せる身近な人とからでいいので、この4月からの様々な変化について、今後の大田原について、話していただけたらと願っています。よりよい大田原を、一緒につくっていきましょう。


今回の投稿で連載は終了です。

2週間、15000字を超える長文にお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました。


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by hoshimasato | 2021-04-23 12:00 | 政治活動 | Comments(0)

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