政治活動

今、給食費無料化を問い直す…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑧

今、給食費無料化を問い直す…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑧_b0063162_08254533.jpg
(自治会の花壇で花を見るうちの下の子)

『財源に影響がないのに子育てに厳しくなる変更は今回なぜ導入されたのか?…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑦』の続きです。

これまで、大田原の子育て施策や教育施策の中で、他市と比較した際に特徴的な点、財源を多くつけていた施策は、保育料を安くするための市の補助(第2子が安い、1年半前から今年の3月までは3割減額にしていた)、学校給食費無料化及び一部補助、及び学校に配置する会計年度任用職員の数だと星は理解していました。

昨年度の令和2年度予算においては、学校に配置する会計年度任用職員を5分の3に減らしました(詳細は、1年前の3月議会について書いた記事 https://utsusemifo.exblog.jp/29980977/に詳しく書きました)。また今年度予算においては、1年半前につけた補助がなくなり、それ以前からずっと続けてきた第2子の保育料を4分の12分の1に変える変更がなされました。


今年度予算では会計年度任用職員の数は昨年度同様の維持がされていますが他市と比べて特徴的なほどではなく、保育料も見直した結果県内の平均辺りになったとのことです。

そうなると、残った目玉政策、「一丁目一番地」という言葉で語られていた主要施策である給食費無料化、現在5割になっている給食補助を維持するのか、あるいはまた無料化を目指すのかどうか、それとも、給食費補助は撤回することになるのか。今までの流れだと、そういう議論になってしまうような気がするのですが、それでいいのか?という疑問があります。


私も含め、今議会に長くいる議員の多くは、導入時や半額補助を全額補助にする際の議論はしても(当事、ギリギリ半分を超えるくらいのバランスで可決されています)、その後は学校給食費無料化が含まれた予算に賛成し続けてきました。

予算では市が一年間に行う300億からのお金の使い方が決められ、基本的にはその全体に「反対」か「賛成」をしなくてはいけません。そうすると、自分が「これはやるべき」「これは優先度が高くはないがあってもよい」「これは無くてもいいような気がするが必要だという説明はまあ理解できる」という様なものも含まれています。

私にとっては、給食費無料化は、子育て施策の中で優先度がそれほど高くはないものでした。ですが、今まで給食費無償化のやめる、やめないの議論をしてこなかったのは、事業の継続性が大事だと思っていたからです。給食費を無料化しにました、でもやっぱりやめてこっちの施策にします、とコロコロ切り替えては、市民が混乱しますし、公平性が損なわれます。また、市長が中心施策として掲げ、これを軸に子育てや教育環境が充実の方向に向かうのであれば、悪いものではない、と思っていたからです。

ですが、財政が厳しくなり、他の重要な教育施策や子育て施策が見直され、廃止されていっている今、そういった施策に比較して、給食費無料化が5割補助になったとはいえ、続けて行く優先順位が高い施策なのか?ということを問い直し、市民全体で考えていくべきなのだろうと感じています。

その中には、第2子の保育料や、学校の人員削減と給食費無償化(補助)はどっちを優先すべきなのか?ということも入ってきます。私はこれらのバランスに疑義があったために、今年度予算に反対しています。

今、給食費無料化(5割補助)は、言うならば、「聖域なき大胆な行財政改革を2年続けても、未だ残されている聖域である」といえる施策になっています。ゼロベースである、といいながら、減額こそすれ学校給食費無料化自体の是非は未だ十分に問われていない、という風に感じるのです。


私が話したいことは、市の予算全体のバランスの中で「給食費補助を維持しているから与一まつりをなくさざるをえなくなった」という様な議論とは違います。これは、価値を比較することの難しい市民サービスと市民サービスの比較です。

私がしたいのは、何を行政に求め、何を自分達でやっていくのが望ましいのかと思うかという、当事者の議論です。子育て当事者の声を踏まえて制度を考え、今後の大田原の教育・子育てがどうあるべきか、という議論・対話をしたいのです。


もちろん、今まで議論されていない新しいアイデアについても考えて行きたいところです。

ですが、他の施策を考える上でも、一旦、大田原の給食費無料化の意図や効果、財源などについて考えておくと、議論が深まるのではないかと思います。

そこで、次回、給食費無料化について、その政策意図やここまでの経過について行政が出している資料を基に見ていき、星がどういう意見を持っているかを述べたいと思います。

『給食費無料化について、教育委員会が考えること、星が考えること…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑨』に続きます。


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by hoshimasato | 2021-04-21 12:00 | 政治活動 | Comments(0)

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