政治活動

なぜ子育て世帯に負担を押しつけなければならなかったのか…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑥

なぜ子育て世帯に負担を押しつけなければならなかったのか…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑥_b0063162_08260617.jpg
(おかんじち湧水地 令和2年3月撮影)

『同じ保育を受けて、保育料が月5000~2万円の負担が増える世帯が7割…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑤』の続きです。

では、なぜ、負担を子育て世帯に押しつけなければならなかったのか。

結論からいうと、大田原市は市独自に教育・子育てに多くの予算をつけてきたからであり、

もう他に削減すべき箇所を見つけるのが難しいくらいの財政状況になってきているからということになるでしょう。

少し詳しく話をしたいと思います。

県や国がお金を出してくれる事業には、いわゆる裏負担というものが発生するものが多くあります。

例えば3000万円の事業を行うときに、負担をどのように分担するかが事業によって決められており、例えば国県市がそれぞれ3分の1ずつの負担だとすると、国が1000万、県が1000万、市が1000万円という風に、それぞれが一部のお金を出して事業を行うことになります。

事業によって割合は異なります。基本的には、国や県が進めたい事業、必要と感じている事業ほど、国や県がそこに多くの予算をつけているということですので、多くお金を出してくれるということになります。中には市の負担が10分の18分の1で行える事業もあります。市に必要な施策であれば、できるだけ市の負担が少ない形で実行できるようにすることが市の財政にとっては望ましい訳です。

逆に、国や県のお金を使わずに、市が独自でつけている予算を「市単独予算(略称:市単)」といいます。これは、国や県が提示するメニューになくても、独自で市に合った事業を行えるのですが、その分、国や県がお金を出してくれず、市が全額を負担することになるのです。

今年度の予算を見てみると、大田原の事業の中で、市単でつけている予算で大きなものは、もう給食費や保育料の補助事業しかなくなってきています。単純化して話をすると、ここを守るために、他の財源を削るということになると、国や県から来るお金を使ってできる有利な事業を行えない、ということです。

そのため、もう市単でつけている給食費や保育料に手をつけざるを得ない、という判断になることは、やむを得ないことだと思っています。

今まで、大田原市の保育料の負担は県内で1番少なくなっていました。なぜかというと、およそ一年半前の9月議会で、10月からの幼児教育・保育の無償化に合わせて、市が独自施策を打ち出したのです。それが、「全ての子どもの副食費の補助(月額2000円)」「無償化にならない02歳児の保育料の3割カット」というものです。これは、幼児教育・保育の無償化により国が負担をしてくれる分が増えて市での負担が少なくなったので、その財源をあてる、という説明を受けましたが、かなり大きい金額の事業でした。幼児教育・保育の無償化に合わせたタイミングでのこれだけ大胆な独自政策は県内のどこも打っていないのです。

そして、これらの事業は、議会の議論などで議員から要望があがっていた内容でもなく、私自身は市民から多く話を聞いたり、要望をいただいたりしたことのある内容ではありませんでした。政策の発生源はわかりませんが、今から思うと他の予算とのバランスで十分に議論されて出てきた案件ではなく、財源が浮いたから、という、思いつきに近いところで出てきた政策のように感じます。

私も当事議会の中でこの事業を通す補正予算に賛成しています。議会の中で施策の必要性、継続性、財政への負担などを十分に議論できたとはいえません。(今回の案件に限らず、補正予算に対する大田原市議会の審議は、委員会に付託されず、上程から2日後に議会での質疑後すぐ採決されてしまう、という非常に議論がしにくい仕組みになっている、という課題も有ります。)

当事私は、「35歳は幼児教育・保育の無料化でかなり負担が減るので、副食費補助でそこの負担を今すぐに下げる必要はないんじゃないか…」「保育料の3割カットはやり過ぎなのではないか」「保育園に入れなかった人との公平性はどう考えるべきなのか」「補正予算で出してくる予算ではないのではないか」というようなことは頭をよぎりましたが、しかしながら「子育ての負担が減らす方向なのだから反対する必要はないだろう」という気持ちで通してしまった、というのが正直なところです。私が反対したり、審議を十分にしたとしても予算は通ってしまったかも知れませんが、今回の保育料の乱高下の一因となっていますので、ここは大いに反省をしています。

しかし、今回そのような状況になってからの、各種子育て施策のバランスを見た上での負担の上げ方や、負担を上げる箇所が本当にこの形でいいのか?という点には大いに疑問が残っています。これを次回で詳しく見ていきます。

『財源に影響がないのに子育てに厳しくなる変更は今回なぜ導入されたのか?…〈連載〉大田原の今を、これからを考える。 ~2021年度3月議会を終えて~ その⑦』に続きます。


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by hoshimasato | 2021-04-19 11:59 | 政治活動 | Comments(0)

大田原市議会議員、ほしまさと(星雅人)のブログ。子どもの味方、学童保育支援員、パソコン要約筆記者。「多様性」と「対話」を大切にし、ともに社会課題を解決する市政を目指し奮闘中。


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