今回の内容も少し込み入るので、一言でまとめると、
「大田原は貯金が少なくなってきてコロナでの減収もあり今までのサービス維持が難しいので削減をします」
という話を書いています。
詳しい内容にお付き合いいただける方は、続きをお読みください。
大田原の財政状況ですが、家計に例えると、以下のような状況であると星は見ています。
昨年ブログに書いた記事(https://utsusemifo.exblog.jp/29977659/)から引用します。
「とってもお得なローン(後から返済額の7割が戻ってくる)を上手く使うなどして震災で壊れた家などを建ててきました。他の家庭と比べてみても、借金とかはものすごく多い訳ではないですし、後年度の負担は多少増えていますが考えながらやっています。ですが収入は仕送り(結婚後、自立しろということで、ちょっとずつ減らされてきた)も少なくなってきて下がってきていますし、使える貯金も少なくなってきていて、今年は特別な支出もあるので、今まで使ってきた娯楽費や教育費、交際費が今まで通り使えないので苦しい状況です」
状況は大きくは変わっていません。各種財政指標を栃木県内の市町村と比較しますと下から数えた方が早いということになりますが、飛び抜けて極端に悪い、という数字は出ていません(これについては、細かい話になってしまうので、またどこかで別に書きたいと思っています)。
ですが、1点、非常に気になる部分があります。財政調整基金は、7億円程度になっている、ということです。
財政調整基金とは、家庭における貯金のようなもので、大規模災害など対応する急な出費や、大きな事業がある年度とない年度の財源を調整する、言葉通り、財政を調整する基金で。一般的に、標準財政規模の10%~20%、大田原でいうと、20億円くらいは持っておきたいという基金が7億円まで減ってしまっている、ということです。
これも家計に例えると、「もしもの時の貯金は、これ以上減らすのはよくないよ!」という水準まで、市の貯金が減ってしまっているのです。
もちろん、こういった状況を市は認識して対応を打とうとしており、今年度の予算を作るにあたり、昨年11月に「予算編成方針」というものを出しています(全文は
こちらから見ることが出来ます)。その中から一部抜粋をしたいと思います。
「予想外の減収や災害など予期しない需要に対応するための財政調整基金残高も減少傾向」
「『入るを量りて出ずるを制す』という財政運営を基本に、将来を見据えた持続可能な財政運営への改革が喫緊の課題であり、真に必要な取り組みである」
そして各項目に入る前のくくりとして、
「したがって、令和3年度の予算編成は、本年度に引き続き、聖域のない大胆な行財政改革に取り組むこととし、以下の方針に基づき編成することとする」
と書いています。
「聖域のない大胆な行財政改革」に2年続けて取り組んで成果があがるのであれば、「昨年度はそこを聖域にしていたんじゃないのか…」と突っ込みたくはなるところですが、こんな強い言葉を2年連続で使わなくてはならいくらいの財政状況だ、ということはご理解いただけるのではないかと思います。