総務常任委員会の合意形成により、市長提出議案を否決し、修正案を作った、というところまで書きました。
ですが、数日後に、最大会派の政友会の髙﨑和夫議員が、総務委員会が出した修正案に、反対討論を提出した、という話が入ってきました。
反対討論とは採決の前に、議会の場で他の議員に向かって「こういう理由から私はこの議案に反対するので、皆さんも反対してください」と呼びかけるものです。
「え?どうなってるの?あなたの会派にいる総務常任委員会の3人も一緒に作った修正案に反対するんですか?」というのが、率直な感想です。
それぞれの常任委員会は、大田原市議会にある4つの会派の全てから議員が入っているので、それぞれの委員の決定を会派が尊重すれば、会派代表から反対討論などが起こるはずがないのです。
結果から先に言うと、総務常任委員会の修正案は、最終日に賛成9-反対11で否決され、市長提出の原案が、賛成12―反対8で可決されました。(この議決の数字のずれは、両方の案に賛成した議員がいたために起こったものです。)

(下野新聞2020年3月19日朝刊より)

(上の記事の訂正記事:下野新聞2020年3月20日朝刊より)
総務常任委員会の修正案に反対したのは、他の委員会に所属している議員10名と、修正案を一緒に作ったA議員の計11名でした。
議会から、「この議案は、このメンバーでしっかり審査してくださいよ」と委員会に渡された議案を、委員会で議論して、よりよくなるように修正案を作ったら、委員会にいなかった人達と、一緒に修正案を作ったメンバーの1人が反対する、という理解しがたい展開になったのです。
議会最終日、髙﨑和夫議員から述べられた反対討論の内容ですが、これまでの市長の頑張りと現在の財政の厳しさ、今後の財政運営の課題等を延べたあとに「市長等の給与削減の期間は、年度ごとに区切って削減の継続を判断するよりも、現時点においては、単年度での改善が見込めない本市の状況を皆様に理解していただくとともに、津久井市長自らが今後複数年に渡る改革の取り組みの期間が必要として、当分の間と判断されたものであり、早期に健全な財政を取り戻そうとする津久井市長の強い意志が込められていると確信しております。是非ともリーダーシップを発揮していただき、現在の任期はまだ2年間あるわけですから、それまでには本市の財政健全化への道筋をつけていただくことをご期待申し上げます」と反対の理由を述べています。
「それをいうならそもそも任期中で区切る案にすべきでしょう!自分の任期中に健全な財政を取り戻そうとする津久井市長の強い意志を議案に込めてくださいよ!」
「単年度でこの状況が改善するとは私も思っていませんが、単年度にする案となったのは、この修正案に反対しているA議員の意見を組んで修正をしたからなんですけれども!」
と突っ込みたくなります。
今回の決定からは、様々な???が浮かんできます。
「会派内でこんなに意見が別れているの?しかも、三役の給与減額を区切るかどうかの案件で?」
「付託をしている委員会以外の人でそれを覆すんだったら、ちゃんと審査をして議論をした委員会って何?」
「会派から送っている委員の意見を尊重しないんだったら、それぞれの会派が全ての委員会に同じくらいの数行けるように配慮して議会の委員会を構成をしている意味ってなに?」
これらに対する答えは、
・会派より大切なものがある
・委員会よりも大切なものがある
以外にはないだろうと思います。
その大切なものが政治信念や市民の生活だったら、いいと思います。「この議案に賛成してしまったら、私が選挙で訴えてきたことや私が求める市政に反する」ということだったら、一人でも堂々と反対すればいい。
我々は党派や会派に関係無く、あくまで一人ひとりが市民に選ばれた議員ですし、政治信念にそぐわない案件に反対はするべきです。私はそれを尊重します。
ですが、「三役の給与削減がずっと続くのは今までのルールに照らすと望ましくないので、1年で区切って、必要ならば来年度も再度出してきて」というささやかな修正、改善案に賛成することが、市民との約束において、政治信念において、どうしてもできないような重要な案件なんでしょうか?
私にはとてもそうは思えません。
以上のことから私が一番有効だと思っている仮説は、
「議会の仕組みや会派の関係性、議員同士の信頼を破壊してでも、委員会のささやかな修正を一切許さず、市長原案をそのまま通すことを何よりも重要と考える議員が半数以上いるのが今の大田原市議会である」
というものです。
私が本当にがっかりしたのが、議会の要職を経験した議員・要職にある議員が、こぞって委員会の出した修正案に反対している、ということです。
多くは、ほとんど全員の議員が賛成して議長・副議長に選んだ議員です。議会の運営を通して、議会とはどうあるべきであるかを理解している(であろう)人達が、「そんなこと関係無い」と言わんばかりに無茶を押し通し、市長原案を通す、ということをやってしまっている、ということです。
『【最終回】結局今の市議会の状況は…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その⑧』に続きます。
(※2020年4月18日に、個人名を仮名にする等の一部修正を行いました。
※2020年4月22日に、委員会の構成と議決に関する写真の削除と、タイトルを含め表現やわらかくするなどの再修正を行いました。)