議会

当分の間とはいつまでか問題…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その⑥

当分の間とはいつまでか問題…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その⑥_b0063162_09190690.jpg

幼児教育の無償化で負担が増えた?負担増となる子どもの数は133人…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その⑤の続きです。

逆転現象は起きないとした昨年9月の副市長答弁とずれて、実際には、負担が増えた子どもがそれなりの数出てきてしまっていたのです。

多少執行部のフォローをさせていただくと、昨年度9月の幼児教育無償化は制度変更がかなり複雑であり、大田原市だけでなく、全国の自治体の担当の皆さんも手を焼いたと思われます。国の制度に県が上乗せ、市町村が独自に上乗せをするなどして子育て環境を競っていたので、国の制度が変わったときに、どのように調整すれば逆転が起こらないようになるのか、いろいろ検討された結果、十分対応しきれなかったのではないか、というのが私の推測です。私も今回この問題を議会で確認していくにあたり、各方面に確認のための情報をもらいに回りましたが、全体像を把握するのは、本当に難しかったですし、正直なところ、まだ理解が不十分なところもあると思っています。

ともあれ、実際に起こってしまっていた逆転現象について、今後どうするかが明確に出てきていないというのが3月議会での状況です。逆転現象をなくそうとしたけれども、十分対応できていなかったのであれば、それを認めて、「制度設計が難しく、逆転を完全になくせていませんが今後無くしていくため制度の変更を検討していきます」という姿勢をみせてほしかったと思います。あるいは、「そこは逆転が起きてしまいますが、今まで市が独自に手厚くしていたので、国の制度変更に合わせて負担が増えてしまいますがご理解ください」という答弁をするなら、それはそれとして市の態度としてありえます。9月議会の副市長答弁とはズレてきますし、望ましくはないと思いますが。いずれにせよ、早急な調査と対応を求めていきます。

【市長・副市長・教育長の給与20%削減…当分の間とはいつまでか問題】

さらに、新しい話題に行きたいと思います。

今回、市長等の給与に関する条例を一部変更し、市長・副市長・教育長の給与を20%削減するという議案第17号が提出されていました。

議案は、条例の金額を直接変更するものではなく、附則により条文を一定期間読み替えるというものです。

市長  月額970,000円→776,000

副市長 月額760,000円→686,000

教育長 月額685,000円→548,000

このように、それぞれ20%の削減が行われます。

私としては、特別職報酬等審議会で適切な給与が決定されているので、削減が必要だとは思っていませんが、「市の財政が厳しく、補助金の減額や大規模イベントの休止などにより市民にも負担を強いるのだから、自分も痛みを負いながらこの状況を改善に向けていく、というメッセージを市民に届けたい」という市長の意図は理解しましたので、減額そのものに反対するつもりはありませんでした。

ですが、気になったのが、その期間です。今回の改正には「令和2年度から当分の間」という文言が入っているのですが、「当分の間」がどういう状況になったら終わるのかがわかりません。今までも、市長の給与等を一定期間の減額をしてきた例はあるのですが、その時も期限が明確に決められていました。今の市長の任期はあと約2年で終わりますが、「当分の間」とはその任期を越えても摘要になってしまうのではないか、あとから戻す戻さないで政治的ないざこざが起こるのではないか、との懸念から期限を決めてやるべきなのでは、と思っていました(ちなみに津久井市長は初当選時のマニフェストに「市長の任期は、最長312年まで」を掲げており、今は3期目の途中です)。

もし仮に三役の給与そのものが多すぎる、ということであれば、別の議論として、特別職報酬等審議会に諮問して、金額の議論をすればいいのですが、今回はその審議会も開かれていません。

この議案は、私が入っている総務常任委員会に付託された案件でしたので、議案に対する質疑の中で、財政がどういう状況になったら戻すのか、という質疑をさせてもらいましたが、明確なラインが示されませんでしたので、市長給与が減額のまま固定化されてしまう恐れがある、ということを委員会の議論で確認しました。

その上で、委員会内の自由討議で「任期の終わりまでで一旦切った方がいいのではないか」ということを提案させてもらいました。

委員会の中では、会派を越えて、多くの議員がその考えに同調してくださり、期限を付けようという話になりました。

委員会には委員長の他に6人の議員がいるのですが、期限が明確でない原案にはA議員だけが賛成し、残りの5人の委員は期限のある修正案を提出するということで、まず原案を否決しました。

その後に、修正案の作成をしましたが、その時には参考人として総合政策部長と総務課長が出席し、さきほど原案のほうに賛成したA議員から「1年でどうか」という提案があり、総合政策部長も「修正するのであれば、予算は単年度でつくるので、1年が望ましいだろう」という話をいただき、当初は任期末までで区切った方がいいと思っていた私も、「翌年度必要であれば、また出してもらえばいい」という考えで納得し、「令和2年度から当分の間」を「令和2年度に限り」という文言にかえる、という修正案を委員会全員で作りました。

小さい小さい修正ではありますが、委員会の合意形成によって(つまりは市長に賛成とか反対とかの立場に関係無く)市長提出議案の修正案を作れたのは、私が議会に入ってから初めてのことでしたので、今期からはようやくこういう議論ができる様になってきたのか、というような空気の変化や、昨年12月から始まった18期の議会への期待も感じました。

その期待が、最終日に完全に裏返ることになります。

『委員会制度や会派制度を大切にしない議会…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その⑦』に続きます。


(※2020年4月18日に、個人名を仮名にする一部修正を行いました。

 ※2020年4月22日に、大文字強調や下線強調の削除などを行いました。)


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by hoshimasato | 2020-03-30 12:00 | 議会 | Comments(0)

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