令和2年度予算の中身と、削減されたあれこれ……〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その③
2020年 03月 27日

『大田原の財政状況は?…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その②』の続きです。
今回は、令和2年度予算の中身について書きますが、先にも書いたように、「財政運営の大改革」と位置づけられた予算で、今まで継続的に行ってきた事業の予算も削られています。
もちろん、そのこと自体は未来を見据えて選択と集中をしていく上で必要なことだと思います。
ですが、継続的につけてきた予算を削減する時には、新しい予算をつける時よりも丁寧に説明をするべきだと思っています。
なぜかというと、1年前には、「その予算をつけることに意味がある、効果がある」ということを説明して予算化をしているからです。削減にあたっても、相応の説明が求められると思います。予定していた成果があがったからやめるのか、成果をあげられないからやめるのか。そういったことをきちんと出してくれることが、その後の自治体の信頼性を担保し、「ならばこうしよう」という市民の間での前向きな議論につながるからです。
そんな私の思いとは逆で、残念なことに、そこに至るまでの議員への市の説明は、ずいぶんと雑なものでした。削減などの方針が、まとまった方針としてではなく、報道を通してバラバラと出てきました。そのことは記者さん達の力でしょうが、新聞に載った後にも議員に対してちゃんとした報告がされない、ということもありました(与一まつりや大田原マラソン)。
このことは、端的に言って、議会や議員が甘く見られている、その後ろにいる市民を重く見ていない、ということなのだろうなぁと理解せざるを得ない、と思います。執行部側の問題か、そういったことをちゃんと求めていかない市議会側の問題か…おそらく両方なのでしょう。
予算の中身の説明にも直でつながるので、令和2年度の予算の中身が徐々に伝わってくる経緯を記憶やメモを頼りに辿ってみたいと思います。
【10月中旬以降】
●噂が広まる
・「職員の給与カット」「与一まつりと大田原マラソンの休止」「補助金のカット」などの噂を聞くようになる。
【11月1日】
●令和2年度予算編成方針がHPに載る。(市議会議員選挙直前!)
・令和元年度の予算317億円から5%削減の302億円程度とし、臨時的事業費40億円を合わせて342億円を目標規模とする。
・市単独補助金の20%カット、需用費の20%カット等の方針。
(10月末に「上記の噂が事実なのかどうか、内容を知りたい、話が大きいので、どこに聞きに行けばいいか確認してほしい」と議会事務局に確認すると、11月頭に連絡があり「11月1日にHPにあげた令和2年度予算編成方針をもって返答としたい」と返答があったという話だった)
〈参考〉「令和2年度予算平成方針について」(大田原市HPに飛びます。)
https://www.city.ohtawara.tochigi.jp/docs/2019110100027/
一応、予備のリンクも。(私が保存しアップロードしているPDFファイルです)
【11月21日】
●下野新聞で与一まつりと大田原マラソンの2大イベント休止の方針の報道がある。

【12月議会】
●議案や一般質問を通して様々なことが確認される
・与一まつり・大田原マラソンの3年間休止の方針
・第3子以降の出産時に支給している子宝祝金を10万円→5万円へ減額
・大田原市移住定住サポートセンターの廃止
・美原公園水泳プールと黒羽運動公園プールの廃止
【1月末】
●与一まつりと大田原マラソンの休止がそれぞれの実行委員会で決定される
【2月14日の全員協議会】
●市単独補助金に関する例規の改正・廃止について説明あり(下記はその一部)
・自治会運営費の算定方法、世帯数×100円→95円に。
・重度身体障害者住宅改造費補助金上限額30万→24万円に。
・敬老会事業費補助金を一人あたり3000円→2000円に。
・無形民俗文化財を継承する団体への補助金、20%カット。
・チャイルドシート購入費の補助→廃止。
・ひとり暮らし高齢者乳酸菌飲料支給制度→廃止。
●来年度予算の概要の説明中で小中学校の給食費無料化→20%、1000円程度の自己負担をしてもらうことになるという話がでる。
私はこのような流れで、予算の中身を知っていくことになりました。
『市職員の給料カットではなく、臨時職員89人の大幅削減…〈連載〉「どうなってんだ大田原市議会!」と心の中で叫んだ。~2020年度3月議会を終えて~その④』に続きます。