(ほしまさとメールマガジン「星の便り」 Vol.99令和元年12月31日発行より)
●与一まつりの休止の理由はほぼ「市職員への負担減」の一点!
各議員の一般質問において、来年度の予算編成方針や、与一まつりや大田原マラソンの3年間休止の検討について、様々なことが明らかになってきました。
私も一般質問において、与一まつりについて取り上げましたが、休止の理由は「職員の負担減」の1点に集約していくような答弁でした。
「何があれば与一まつりと言えるのか」という点にも十分な回答がいただけなかったので、市長が3年後に何を復活させたいのかは聞けずじまいでした。見通しのない休止に感じています。
以下の市議会のサイトから、動画でご覧いただけます。是非ご覧ください。
また、12月17日の下野新聞にも取り上げていただきました。
改めてアップロードされた一般質問の動画を自分で見返してみましたが、やはり納得いかず、様々な論点について以下のように感じています。
・与一まつりは自然発生的な「祭り」ではなく、行政が主導して、市民全体で楽しめるふるさとの「まつり」を作ろう、という先達の想いとそれを繋ぐ人達の苦労と努力の上になり立ってきた。40年間かけて、大田原にようやく根付いてきたまつりである。
・11万人の来場者が来てくださる、という意味や、その来場者がお金を落としてくれるという経済効果を甘く見ていると感じる。与一まつりの出店の収益で運営の資金を得ている他の地域団体への影響も大きい。
・与一まつりに課題は確かにある。というか、常にある。常に改善していこうという努力の中で40年間続いてきた(1年間休止はあるが)。様々な意見を一番把握できる実行委員長=市長が、改善を周りに訴え、より良い形のまつりにすることを主導していくべきだが、実行委員会へはからず、議会にも伝えず、ほぼ独断で3年間の休止を決めたことに大きな問題がある。40年間行政が主導でやってきて、市民にも根付いている祭りを休止するということは、そんなに軽いことではない。
・「市の職員の負担」というが、市の職員は仕事で与一まつりに参加している。与一まつり単独で負担がどうこうの話ではなく、仕事の総量を管理しコントロールすべき。職員から「与一まつりの負担が大き過ぎる」という話は少なくとも私が調査する範囲では聞けていない。「職員を休ませたいから」と言う説明では、今まで行政主導のまつりに40年にわたり手弁当で協力してきた市民が納得できるはずがない。市長にとって、市の事業の中で与一まつりの優先順位が低いのだ、ということは言外に感じてしまう。
・質問の中では「予算が問題ではない」という前提での議論をしたが、与一まつりのおおよその予算1600万円には、市の職員の人件費は含まれていないので、与一まつりに直接関わる商工観光課の職員や、代休を取って与一まつりに出勤する他の課の職員の人件費も含めると、本当はもっと大きい行政コストになっている。そこまでを事業費として換算すると、もっと大きい負担にはなっているが、そこの説明はなかった。
・3年間の休止だが、そもそも2020年のオリンピックによって大田原市の職員への負担がそれほど大きくなることはない。2021年のプレ国体、2022年の国体は市職員への負担は大きいと予想されるが、それまでに市の職員の負担を軽減する形でのまつりに改善する努力や、負担が多い年にどのような形なら継続できるかを十分検討した形跡がない。
・市長の任期を越えての再開となる。また、再開までのプロセスや、その時に何を再開させたいのかについての、想いや見通しの説明がない。「やめるわけではない」といいながら、再開のプロセスの話が出てこず、答弁の中では「あのときに津久井市長が切ったのだ、とんでもないやつだ、悪人でしょう、それで結構でございます。それを復活すると善人です。すばらしい立て役者になれるのですから、頑張っていただきたいと思います」。と、質問している側に復活について投げるかのような姿勢はいかがなものかと思う。
まだ納得がいっていないことは多いです。何にせよ、休止の経緯をしっかりまとめて残しておくことは必要です。
先の質問と議事録は一定の役割を果たしたと思いますが、まだ考えて行くべき点、残しておくべき点がありますので、来年、ブログ記事にまとめていく予定です。
今回の議会は、与一まつりや大田原マラソンの休止もそうですが、11月に発表された予算編成方針をベースに、「移住定住サポートセンターの廃止」や「黒羽・美原屋外プールの廃止」など、何かをやめる、何かを削減する、という話がたくさん出てくる議会でした。ですが、それも、パラパラと出てきて、まとまった方針や決定をしっかり伝えられている訳ではない、というところに問題を感じています。
予算編成方針で市単独補助金の2割カット等を掲げていながら、来年度予算の大きいビジョンがまだ示されていないと感じています。「何を残すための」削減なのか。それがなければ、「効果が無い事業だから」等の積極的な理由で削減することはあっても、「相対的な理由で」削減することに賛成はできません。この後で出てくる市の来年度予算で残っているものが、私が本当に守るべき、強化すべきと考えるものと違っていることだって考えられるのです。
今までの予算を承認してきた議員の一人として、「削減」は新たなことを始める以上に丁寧な説明を求めていきます。そこに、大切な税金を投入してきたわけですから。
そういった理由で、今回、「子宝祝金を10万円から5万円にする条例改正」(第93号 大田原市子宝祝金条例の一部を改正する条例の制定について)にも反対させていただきました。
この施策を単独で削減する積極的な理由は示されていません。子宝祝金の削減を単独で見た場合には、人口ビジョン等の出生数を上げることを掲げている、いくつかの計画と逆行します。
(「他市の状況を鑑み、」という説明がありましたが、子宝祝金の金額は自治体でまちまちです。「他市に合わせる」というのなら、合わせる理由をつけないと不誠実です。他市と比べてたくさんお金をつけている給食費無料化など他の事業はどうなるんでしょう?)
こちらも12月20日の下野新聞に取り上げていただきました。
これら、12月議会の状況を考えると、これから1月の副市長査定、市長査定を経て作られていく来年度予算は、これまで以上にしっかりと見ていく必要が出てくるように感じています。ただでさえ、11月の改選で26→21人になり、なおかつその中の8人が新人、という議会です。来年も、今まで以上の働きをしていかなくてはなりません。
今年は、11月に大田原市議会議員の選挙がありましたが、多くの方の支援をいただき、当選し、次の4年間を働くチャンスをいただくことができました。
上に記載したように、早くも最初の議会からギアを全速力に上げなくてはいけないような状況になっていますが、二元代表制の一翼を担う議員として、しっかりとしたチェックと提言を続けていく所存です。
これからも、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。