議会

女性3名の議長選!髙野新議長、君島副議長誕生

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 昨日4日(月)、12月議会が始まりました。開会し、日程を決めた後、議長から辞表届が出され、議長選挙となりました。
 地方自治法には『議長及び副議長の任期は、議員の任期による』とあり、単純に読むと4年の任期なのですが、2年たったら正副議長が辞任し次の議長と副議長を改めて決めるのが、大田原市議会の慣例になっています。
 正副議長選にはすべての議員が被選挙権を持つのですが、何でその人が選ばれているのかが議会の外からはよくわかりにくい、ということもあり、立候補制と演説と質疑の導入が2年前の議長選で初めて導入され、今回も行われました。演説と質疑は休憩中という扱いになるので録画はされませんが、中継で放送され、傍聴もすることができます。 立候補者は議長選挙で3名、副議長選挙で2名、それぞれの候補の所信表明があり、その後質疑が行われました。  以下の発言概要は私のメモと記憶から作ったものです。細部の言い回し等は違っているかもしれませんがご了解ください。

【議長選候補者の所信表明・質疑概要】

●髙野礼子議員 所信表明
平成の大合併といわれた平成17年にやさしさと思いやりを旨とし、
市民の立場で市政発展の一翼をになうことを目指し、支持をいただき議員になった。
自然豊かで伝統と歴史があり、「住む人が輝き来る人が安らぐ、幸せ度の高いまち」の実現を目指した大田原。
市民主体のまちづくりと、2元代表制の原理に基づき事務執行の監視を強化し、
各議員がより政策立案や提言ができるようにしていきたい。
基本条例や会議規定などを念頭に置き、公平性透明性を保ちながら一層の議会改革を推進し、
議会活性化と、愛とと知恵のある共同互恵の、市民の参加しやすい、市民に愛される議会を作っていきたい。
女性だから厳しく、女性だから優しくやっていきたい。

・質疑
星/より政策立案や提言をできるように、という点の具体的な案や方針など知りたい。
髙野/基本条例に基づきながら進めたい。会派代表者会議や議運で決められたことを進めていく。各委員会からの発言、ネット配信ができたらいい。
滝田/議会改革の最重要課題は。
髙野/議会活性化委員会がまだ継続しているので、そこで決めていくと、進んだ議会になるのでは。
千保/議会は自由発言が原則。少数者の発言の権利、特に発言時間がより必要。基本条例にも書かれている。議会改革に対する熱意を聞きたい。
髙野/基本条例をもとに会派代表者会議の審議をしている。一人で決められるわけではないので、条例の中でやっていければいい。
印南/公平公平透明で市民に開かれた議会という点で、具体な案はあるか。
髙野/様々な状況において出てくる。そのときに対応していきたい。
小野寺/市民に愛される議会とはどのような議会か。
髙野/議会と市民の間があったのかと感じていた。心の通う議会と出会ってほしいという願いがある。

●本澤節子議員
誇りある大田原市議会をさらに輝かしいものにしたい。
微力ではあるが、市民の暮らしを豊かにするため、立候補した。
市民の関心は北朝鮮のミサイルが日本をどう変えるかにある。
兵士が亡命したが、寄生虫を体に持ったまま逃げた。
国家破綻しているということを表している。
日本はどうか。被爆経験を持つ日本人は1000兆円の借金を持ち財政破綻に近い。
子孫を守るために国を逃げないといけないという話も聞く。
私たち年寄りは憲法9条の民として生き抜く人もいる。
議会はどうするか、市民の声を束ね、命と暮らしを守るため全力を尽くすことが求められている。
当選したら、市民の命と暮らしを全力で守ることを誓う。

・質疑
星/議長という立場で、どのように市民の命と暮らしを守るのか。
本澤/一人一人の議員が、日本の歴史の中で大切なのかということ、議員が市民の命を守るためにどれだけ行動できるか。風通しのよい議会を作る。
小野寺/市長の立場でいうならわかるが、議長という立場でどのような努力をしていくのか。
本澤/自らの立ち位置を明確にし、寄せられる市民の声を受け取る。市民、議員各位ひとり一人を大事にし、話し合いを元に進める。
滝田/命と暮らしということには共感するが、議長職は広い考えが求められる。それ以外に1点大事なことは。
本澤/北朝鮮のミサイルが到達することになれば、市民の命をまもらなければならない。憲法で許された国民の権利を100%実現するため働く。
弓座/命と暮らしを守ることは大切。北朝鮮の情勢に詳しいが、少子高齢化についてはどのような取り組みで行くか、また、議長としてどのように議会をとりまとめていくか。
本澤/北朝鮮には詳しくない。報道で知るだけ。国民は飢餓状態、元首はふっくら、ミサイルを作っている。国として破綻している。議会のつながりをどう使うか。戦争にさせないため、正常な政治をつくりあげていく。市議の理解が得られても得られなくても、市民を守り抜く。

●秋山幸子議員
日本共産党、秋山です。議会に入り2年間、皆と議案を論議して、決定してきた。
大田原市をよくしたいという思いは同じ。
市民に開かれた場として、反対が少数であっても、公表する場が必要だと思っている。
議長になったら議会改革をする。第1に所属する常任委員会の反対討論はできないことになっているが、
反対する理由が市民にわからないため、改めたい。
第2に、市民から預かった税金、議案は慎重な討論の末決めるべき。
一般会計、特別会計の討論を一括で済まさず、各議案ごとに行うようにする。
第3に、討論の時間制限の廃止をしていく。自由な討論をして市民全体の福祉の向上を目指す。

 議長選の結果は、26票中、有効投票数20票、
髙野議員18票、本澤議員1票、秋山議員1票となり、髙野礼子議員が議長に選ばれました。 その後の市長の発言によると、大田原市議会初の女性議長だとのことです。

つづいて、副議長選です。

【副議長選候補者の所信表明・質疑概要】
●君島孝明議員
2期6年で、委員長職などをになってきた。自己責任で運営されている今、地方議会は主役になったといわれている。役割と機能を果たすことや、資質の向上が求められている。議会改革をすすめていく。商業、農業、公共交通など、課題が山積している。課題に議会が対応するためにも、議会報告会で市民参画を推進にしていく。二元代表制の一翼を担う議会として、住んでよかった、住みたいという町にするため市民の声に耳をかたむけ、信頼され期待される議会にしていきたい。議長を補佐し、一体となり、各会派、各議員と意思疎通をはかり円滑な運営に努める。

・質疑
星/議会改革について具体的な考えはあるか。
君島/広報広聴委員会で決めることではあるが、議会報告会に人が集まらないのであれば、集まる場面にもっていてはどうか。中高生を対象にやるのも一つの案。
千保/議会改革への決意の固さを聞きたい。
君島/議会基本条例を元にしっかりやる。各常任委員会でまだ委員間討議が少ない。みなさんの討議をするなかで結論を出していきたい。
本澤/高齢者の課題は交通事情の改善にある。考えはあるか。
君島/公共交通の充実の必要はある。お年寄りは困る。報告会でも聞いている。常任委員会の課題として取り組んでいくもの。
印南/資質の向上とは具体的にどのようなことか。
君島/基本条例を読んでいただくと書いてある。議員としては、招集された時間を守る、そういったことを改善していきたい。

●秋山幸子議員
市民に開かれた場として、反対が少数であっても、公表する場が必要、議会改革に挑む。
まず所属する常任委員会の反対討論はできないことになっている。
反対する理由が市民にわからないため、改めたい。
2つめに、市民から預かった税金、議案は慎重な討論の末決めるべき。
予算、決算で一般会計、特別会計の討論を一括で済まさず、各議案ごとに行うようにし、討論の時間制限の廃止をしていく。
議会は言論の府、自由な討論をして市民全体の福祉の向上と、市民に開かれた議会を目指す。
一般質問は行っていく。

 副議長選の結果は、26票中、有効投票25票
君島議員22票、秋山議員2票、小池議員1票となり、君島孝明議員が副議長に選ばれました。

 ここまで読んでくださった人は、「?小池議員?候補者にいないよね?誤記?」と思われるかもしれませんが、誤記ではありません。立候補していない人に投票した議員がいた、ということです。 少し詳しく書くと、地方自治法では議員全員が議長選挙の選挙権・被選挙権を有すことになっているため、それに反する議会のルールは作れません。なので、休憩中に立候補と演説を行う、という仕組みを導入したものの、被選挙権の制約はできず、議員誰の名前を書いてもいい、という形で行っているわけです。
 ここからは星の所感です。大田原市は3つに分かれてはいてもほとんど実質1つの会派に見える「政友会第一」、「政友会第二」、「政友公明会」が議会の26人中16人を占めている状況なので、その3会派の意思で議長が決定します。4期以上で議長経験の無い髙野議員が議長に立候補されるであろうことは想像していました。副議長は唯一3期の小池議員かと想像していたのですが、2期で同期の君島議員になったことは、少し意外でした。議会の開会直前に委員会構成の変更もありましたし、誰が議長副議長になるかで、会派内の決定が難航したことが予想されます。
 演説と質疑については、髙野議員・君島議員、ともに議会改革についての思いはあれど、プロセスの部分を外さず丁寧な答弁をしていたように感じます。これを絶対やるんだ!といっても、議長や副議長にそれができるのではなく、大きな方向性を決めるようなことしかできないので…。議会の活性化に対する思いをお二人とも出していましたので、共に進めていきたいと思っています。秋山議員の主張は明確でした。1期で一人会派ですので議長副議長に適任かどうかはさておき、「常任委員会メンバーは討論ができない」「予算決算の討議の議案ごとの分割」「討論の時間制限」、については、開かれた議会に向かって、徐々に改善していくべき点だとは私も思っています。立候補した全議員に質疑をしようと思っていたのですが、秋山議員は主張がクリアだったので質疑するところがありませんでした。
 何はともあれ、髙野議員、君島議員、おめでとうございます。これから議会の代表として、よろしくお願いいたします。議員が活動しやすい議会に向けた動き、公平公正透明な議会運営を期待しております。そして、役職を終えられた引地議長、黒澤副議長、本当にお疲れ様でした。

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by hoshimasato | 2017-12-05 13:00 | 議会 | Comments(0)

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