結論から言うと、いろいろ調査した結果、「今すぐに30分前倒しにするというのは早計」という結論に至りました。
理由は、たくさんありました。
まず、理由1、後ろ30分の利用者がかなりの数いること。
図書館が新しくなった12月15日~3月9日の間のおよそ3か月のデータによると、
後ろの30分の間に入館した利用者は3223人いました(入口のセンサーで確認しているとのことです)。
1日平均48.1人となります。
また、土日の最後30分(17時~17時半)の平均入場者数は80人を超えます。
ちなみに新しくなる前の図書館の利用者数は延べ数で年間20万人ほどです。
3223人という数を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれでしょう。
ですが、その中には「30分前倒しになったら図書館が利用できなくなる人がいる」という点は押さえておくべきです。その人にとっては、その30分短くなることが図書館のあらゆるサービスがなくなることと同義かもしれませんから。
理由2、十分な調査が行われていないこと。
開館を30分前倒しして欲しい、という市民がどれくらいいるのか、担当課では数は把握していないとのことでした。また、まちづくりカンパニーに対して開館時間を早めてほしいと意見を伝えた利用者の方も、「閉まる時間をを短くしたとしても前倒ししてほしい」とまで考えているのか、わかりません。あくまで「前を伸ばしてほしい」という意見でしょうから。
また重ねてになりますが閉館が30分前倒しになった場合、上記の3223人の中には、仕事帰りなどで寄っていたけれども今後は寄れなくなる、という人もいるはずです。(4月は夏時間に代わるタイミングなので、平日の閉館は冬に比べれば30分は伸びますが土日は純粋に短くなります。)
逆に30分前倒しになったら仕事の前に来られる、だとか、夜勤明けに来られる、という人もいるとは思います。ですが、その数を調べる調査は全く行われておりません。
理由3、新図書館がまだオープンして3か月しかたっていないこと。
図書館がトコトコ大田原の中に移動して、まだ3か月であり、その影響により夏場の利用者数がどれくらい変動するかみえません。後ろ30分の利用者もどれくらいいるのか、まったくわかりませんし、予想もつきません。
理由4、告知期間が短すぎること。
たとえこの議案の通り変更するとしても、図書館の開館時間の変更には最低1か月ほどの告知期間が必要なのではないでしょうか(開館時間の拡大だったらいきなりでもいいですが)。
今回は、3月25日に議決してから1週間後の4月1日に時間が変更になってしまいます。
すると図書館での告知も十分にできず、4月頭に発行される広報にも間にあいません。
図書館が4階になったので、前の図書館のように前まで車でいって「あ、今日もうしまってるや」と簡単に帰ってこられるわけではないのです。立体駐車場に車を止めてわざわざエレベーターで4Fまであがった後に図書館が閉まっているときのガッカリ感といったらありません(星は体験済みです…)。
後ろ30分に入館していた方々で同じ思いをする方も多いと思いますし、そこではじめて30分前倒しの事実を知り、「なんで閉館時間短くなってるの?」と憤りを覚える方も出てくることが予想されます。(重ねてになりますが、4月は夏時間に代わるタイミングなので、平日の閉館は冬に比べれば30分は伸びますが土日は純粋に短くなります。)
また、一般質問の中で高瀬重嗣議員が指摘していたことですが、3月に市から各家庭に配られた「大田原市くらしのガイドブック」には、当たり前ですが元の時間で開館時間が記載されています。


理由5、平成26年度末で指定管理の期間が終わること。
ダメ出しがこれでした。
平成26年度末で、現在の指定管理者に対する指定管理期間が終わり、
平成27年度から新たな仕様書に基づいた契約になるのです。
今年の夏から、図書館の開館時間も含め、検討が始まるとのことでしたので、
これから調査を行い、来年の4月にはより市民のニーズに合う形に変更になっていくでしょう。
それならば、今このタイミングで調査も十分になされていないまま変更する必要はないということです。今変えても来年の4月にはまた開館時間が変わる可能性があるのですから。
これらの「変更は早計」という理由に対して、議案に賛成する理由は「図書館だけ30分開館がずれているので合わせたい」という理由しか見当たらないのです。ちなみに開館時間は施設によってバラバラなので、頭だけ合わせる、ということの意味もそれほど無いように感じています。
会派でも話し合い、「議案の通りの開館時間の変更はするべきではない」との合意がとれました。
続きます。