連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について⑦…国からの補助金の続きです。
6、子ども未来館の指定管理者がまちづくりカンパニーになったことについて
9月の議会で上程された議案第72号の、
子ども未来館の指定管理者をまちづくりカンパニーとする案は、
星以外全員の議員の賛成で可決されました。
指定管理者とは、施設の管理を法人やその他の団体に代行させる制度で、
大田原市では「大田原市公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」という条例に基づいて行われます。
第2条に「指定管理者の公募」という項目があり、
基本的には指定管理をする場合には公募の形を取ります。
運営をしたい事業者を募集して、その中から最適な指定管理者を選ぶのです。
ですが、今回は、公募せず、まちづくりカンパニーを市長が指名するという形をとりました。
5条に「候補者の選定の特例」という項目があるのです。
「第5条 市長等は、公の施設の適切な管理を確保するための緊急の必要があるときその他規則で定める場合には、第2条の規定にかかわらず、市長などが指名する団体を指定管理者の候補者として選定することができる。(以下略)」
子ども未来館は指定管理で行われるということが前々からきまっていたので、
緊急の必要は今回はありませんでした。
ならばなぜ、公募をせずに、子育て支援に何のノウハウももっていなくて様々な事業をこれからスタートさせるという状況に置かれているまちづくりカンパニーに子ども未来館をまかせようとするのか。
何度も説明を聞きましたが、これも図書館と一緒で、「まちづくりに子ども未来館をどう使うか」という話しかでてきません。
人を集めるということはまちづくりの大きい目的であり、それに適切なのはまちカンである、というような説明です。
子ども未来館を誰がやれば大田原の子育て支援がよりよくなっていくのか、という視点で話が進んでいないように感じました。
そもそも、まちづくりカンパニーは、まちづくりの中心に立って、
いろんな人を巻き込みながらまちづくりのマネジメントを行っていくのではなかったのでしょうか。
スーパーが入れないことになって、代わりに入る物産所方式のスーパーをを自分たちでやるということだって当初予想していなかった相当な負担だろうと思うのですが、
そこにさらに、「今年6月の株主総会で定款を変えて」やれる事業の幅をひろげ、
子育て支援施設の運営にまで手を伸ばす理由が星にはわかりません。
自分たちがやってしまったら、人を巻き込むことができず、
多くの人にまちづくりに関わってもらう可能性を狭めることになるのではないでしょうか。餅は餅屋に任せ、専門家と連携してまちづくりを主導するのがまちカンのあるべき姿なのはないでしょうか。
あと、ここは子育て支援に関わるものとして言わせてもらいたい部分なのですが、
図書館の運営をまちづくりカンパニーに任せようとは流石に誰も考えないはずです。
ですが、子ども未来館ならなんのノウハウももっていないところに任せてもいいとなる。
これは、子育て支施設の運営に、何の専門性もいらない、と判断されているのだ、と理解せざるをえません。
実際のところ、子ども未来館は、すみよし子育てプラザでやっていた一時保育の機能などがその中に移転するということで、
今まで現場で子育て支援をしてきてくださった方が多く入ると聞いていますので、
現場の力で頑張ってやっていただけると思っています。
なので、お子さんをお持ちの方は、安心して一時保育に子どもさんを預けてください。
ですが、これからまだ足りない人を採用して行くわけですが、
どういう理念に基づいて、どういう人をとるのでしょうか。
室内遊戯施設の監視員は、どんな人がなるのでしょうか。
その人たちをどのように指導していくのでしょうか。
どういう理念に基づいてどういう子ども未来館をつくり、
どういった子育て支援を行っていくのでしょうか。
全く見えないままでした。
この議案は、星にとって、議員になってから一番納得のいかない議案でしたし、
今まで歯がゆい思いをしながら賛成してきた議案と異なり、
「来年度4月から指定管理をしそれに向けて公募を行い、それまで市の直営で運営する」という明確な対案が出せる状況でしたので、
これは通すわけにはいかないと思い、常任委員会に臨みました。
民生常任委員会では、あらたに「指定管理のお金は別口座で管理する。未来館の収益は子育て支援に還元する」というような話がでてきて、
結果、「執行部に意見書を提出するということで賛成」という形になりました。
問題点は、常任委員会にいるメンバーみなが共有できていたように思います。
ですが、私以外全員の賛成で、委員会の決定としては原案通り可決するということになりました。
委員会の決定については、議場での議決で反対できますので、
会派のみなさんにも打診しましたが、残念ながら賛同は得られませんでした。
一誠会は、それぞれの信念を尊重し、無理な意見の統一は行わない、ということで作った会派ですので、無理は言えませんでした。
それぞれの議員さんの思いはわかりません。
反対賛成の理由を述べる討論は行われませんでした。
(星は反対討論を行いたかったのですが、所管の委員会の議案については
先例で討論を行えないということになっており、残念ながら行えませんでした)
知り合いの議員さんがいる方は、なぜ賛成なのか、賛成の理由を聞いて見てください。
議員になってから一番の無力さを感じました。
議員1人の力は、あまりに弱いです。
議会は多数をとらないと、強い力を発揮できません。
それが議会です。
ここまでが、星が議員になってから上がってきた個別の事案のまとめです。
あと一通、まとめの記事でこの連載記事を締めたいと思います。
もう少し、お付き合いください。
続く