大田原

連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について⑤…まちづくりカンパニーへの融資

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金燈籠ポケットパーク

連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について④…再開発ビルの床単価の続きです。

3、市からまちづくりカンパニーへの2億5000万円の無利子融資について

今年の3月、前回話した床単価の問題と共に上がってきたのがこの問題でした。
まちづくりカンパニーに2億5000万円の融資を行い、
無金利3年据え置きの、30年返済ということにする、という話でした。
なんでこんな話になるのか、星は全然わかりませんでした。

まず、まちづくりカンパニーとは何者なのかを説明しなければいけません。
大田原まちづくりカンパニー(通称:まちカン)とは、大田原の中心市街地活性化におけるまりづくり会社です。
まちづくり会社とはなんなのかという、
過去の記事「連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について②…中心市街地の活性化って?」の記事でリンク先にとんで説明を読んでいただけるとわかるのですが、
ザックリまとめると、
「公益性と企業性を併せ持ち、行政と民間の間に立ってまちづくりを行うディベロッパー」
といったところでしょうか。

大田原まちづくりカンパニーは、再開発ビル1階の床を再開発組合から購入し、
その床を貸し出してテナントミックス事業を行うことになっていました。
(付け加えておくと、1階のキーテナントは、スーパーさんとの交渉が決裂し、
まちづくりカンパニーが直営でスーパーをやることになりました)
床単価の問題のところでもあげたように、
1階の床単価はビル周辺の状況も鑑み建設費に比べずいぶん安くなっていますが、
それでも、2億9351万9千円という額です。
それだけのお金がなければ、1階部分全部を購入することはできません。
そして、まちづくりカンパニーは資本金は1億円(そのうち市の出資が3000万円)で、
収益があがる事業をまだ行っていないので、運営の経費等で資本金を食いつぶしていっている状況で、
3月時点で手元には6200万円ほどしかない状況でした。
そのお金でどうやって床を買うのでしょうか。
銀行や政府系金融機関からの借り入れは、不可能か、すでに現時点での限度まで借りている状況だとのことで、
資本金もここからいきなり何億も集めるというのは現実的ではありません。
(そもそもどうやってお金を集めるつもりだったのか、と聞いたのですが、
あてにしていた国の補助金がなくなったとのことでした…)
なので、どこかから2億5000万円が出てこなければ、まちづくりカンパニーは1階の床を購入することができず、
テナントミックスの事業が始められません。
再開発組合は床を売れず、解散できません。
大田原市の中心市街地活性化のメインの事業が頓挫することになります。

ですが、中心市街地活性化基本計画の中には、
大田原まちづくりカンパニーが主体となって行う中央通り地区再開発に係るテナントミックス事業について、
「この事業に係る事業費は、市が補助する」と書かれているのです。

なので、ここに来て事業を頓挫させるわけにもいかない市は、
その事業の支援をするために、まちカンの要望に基づき、2億5000万円をまちづくりカンパニーに貸すという。
4年目が820万円、5年目以降が930万円ずつ、30年で返してもらうというシュミレーションでした。

30年。長い月日です。
星が生まれてからまだ29年です。
市からまちカンが借りたお金は、僕が59歳になるまで返し続けると。
ちなみに、事業の中核にいる人たちは、40代、50代、60代ですので、
完済するころには、70代、80代、90代です。
目まぐるしく世の中が変わっているこの時代に、誰が責任を持つのでしょうか。
市は「補助で渡してしまえばあげたお金だが、融資は返ってくるお金だ」という説明をしています。
たしかにそうなのかもしれません。星も融資より補助にすべきとはとても言えません。

ですが、この件も、今年度予算に組み込まれ、予算は3月議会で全会一致で議決されています。
星もいろいろ考えたのですが、対案となる有力な策を提示できませんでしたので、賛成しました。
大きな事業が動きだしてしまうと、それがいかにずさんで甘い目算で進められていても、
途中でブレーキが踏めなくなる、ということを、強く感じさせる案件でした。

続く
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by hoshimasato | 2013-10-11 12:00 | 大田原 | Comments(0)

元大田原市議会議員、ほしまさと(星雅人)のブログ。2023年春の栃木県議会議員選挙に出馬表明中。こどもの味方、学童保育支援員、パソコン要約筆記者。大田原を、那須野ヶ原を「誰一人取り残さない持続可能なまち」にするためのご意見募集中。→https://forms.gle/YNT9krbHtd1814LWA


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