思考・態度

「なんで学童保育の指導員をしているのか?その21」

主婦層の指導員さんの中にも、仮に自分が扶養から外れても指導員の待遇を上げるべき、と主張する人もいる。でもマイノリティー。そう声を上げる人の立場が悪くなる、という向きもある。

阿部真大氏は『働きすぎる若者たち』という著書の中で、上野千鶴子の『差異の政治学』を引用し、介護の職に就くケアワーカーさん達の現場における複合差別について書いている。
以下引用。
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ケアワークは非常に低賃金な不安定労働であるが、若いワーカーのなかには、労働条件を改善し、少しでも長く働けるような職場にしようと願う人も多い。(中略)しかし、こうした思いも、同じ職場で働く主婦のワーカーたちに共有されているとは考えづらい。「有閑型パート」である彼女たちは、経済的に余裕があり、この仕事だけで食べていこうと思っているわけではない。若年層と主婦層は、労働条件に対するシビアさに温度差があるため、職場において「連帯」することが困難になる。

(中略)

ひとつの文脈で差別を受けているもの(ケアワーカー)が、別の文脈のなかでは強者(被扶養の立場にある主婦)である。それゆえ、ケアワーカーに対する社会的な差別(不当な賃金)が不可視化される。わりを食うのは若年のケアワーカーたちである。
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学童保育にも同じことがあてはまると思う。

一番問題にしたいのはここ。
『ケアワーカーに対する社会的な差別(不当な賃金)が不可視化される』ということ。

今はいいかもしれない。その人たちはいいかもしれない。大変でも生活は出来る。
でも、次に同じ仕事に入ってくる人も、不当な賃金でやれる人を探すのだろうか。
現場で働く人の善意を喰らい続けて成り立っている仕組みだ。

また、雇用の問題を考えたときに、ケアワーカーや学童保育指導員のように、今後需要が増えることが見込まれる仕事が食っていける仕事にならない、ということは、僕は問題だと思っている。その職を熱意ある主婦層の指導員で賄えるとは思えない。
離職率が高いことも“今の若者は根性ないから”というような雰囲気で語られることが多いが、こういった問題があることももっと知ってほしいと思う。

若くして学童に携わって、問題を感じた人は「この状況をどうにかしたい!」という思いがあって現場に残っている人もいる。そういった人たちを共感をこめて「学童トラップにハマった人」と心のうちで読んでいるのだが、そういった今現場にいる人を「好きでやっていることだろう」と切り捨て、今後は若い人は取らず、主婦層、退職後のお年寄りなどの扶養の中に入っている人でやります、という考えもあるかとは思う。

それについては、学童がどんな場所かということを押さえながら考えてみたい。

続く
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by hoshimasato | 2010-12-06 22:32 | 思考・態度 | Comments(0)

大田原市議会議員、ほしまさと(星雅人)のブログ。子どもの味方、学童保育指導員。「多様性」と「対話」を大切にし、ともに社会課題を解決する市政を目指し奮闘中。


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