「(学童でやっていることは)僕が大学で学んできたことや、実習で見てきた学校に比べて、あまりに体系だっていなかった」と書いた。
⑱からの流れが切れてしまうが、なんでそういうことになるか、ということを僕なりに説明しておきたいと思う。
まずそもそも学童保育には公的資格と、法的根拠がない。
例えば小学校の先生になるには、教員免許を取らなくてはいけない。なんでかというと、学校教育法にそう示されているから。教員免許が公的資格で、学校教育法にかかれている、ということが法的根拠になる。つまり「学童の子どもたちをみるためにはこういったことを勉強してからじゃないとだめですよ!」ということを国は決めていないということだ。体系だっていないのも当然である。
大田原市では「幼稚園や小学校の教員免許、保育士や児童厚生員等の資格を持っていることが望ましい」ということになっているようだけれど、「望ましい」だけであるから、何の資格もなくてもなれる。そのこと自体もどうなのか?とは思うのだけれど、仮に上のような資格を持っていたとしても、学童は幼稚園でも小学校でも保育園でもないので、十分とは言えない。学童がどういった場所であるべきなのか、学ぶ必要がある。
県や市町村で研修を課しているところもあるが、数も少なくそれだけでは足りないので、全国学童保育連絡協議会や、県や市の学童保育連絡協議会という組織、地域の指導員会などが、自分たちに必要な研修を自分たちの手で作って、勉強をしているという状況なのです。
では、実際、どんな人がどんな風にして学童で働くようになるのか?
大田原では、多くの指導員は、知り合いの指導員に誘われて学童保育に入ってきている。
僕も、大学の時に知り合いの指導員さんから誘われて長期休みのアルバイトに入ったのが最初の学童とのかかわりだ。
僕はどんな説明をされたか明確に覚えていないのだけれど、「子どもたちをみているだけでいいから」というような説明を受けて学童の指導員を始めた、ということを話す人もいる。
大田原のほとんどの指導員が子育てを終えた母親だ。
午前中の時間を使って主婦としての仕事をしながら、午後の時間で働きたい、というニーズに学童保育指導員の仕事はぴたりとはまる。
若い人が入ってくることもあるが、単純に給料が少ないので、辞めていってしまう。
労働時間は5時間(今は1時半~6時半)、月9万円の仕事。主任でも9万5千円。昇給なしの1年雇用。これだけでは食べていけない。
なので、そもそも若い人を学童に入れようという発想自体はほとんどない。
若い力がもっと入ってきてほしい、長く続けて専門性を培っていってほしいと心から願うが、知り合いに「学童で働いてみない?」とはとても言える待遇ではない。
続く
子どもたちに幸せや充実をプロバイドするという目的が先にあることを忘れずに、そのための手段として法体系の整備や人材の供給や育成に星が臨んでいくことを望んでいます。
>学童の運営時間(営業時間?)が何時から何時なのかは分からないが、
開館時間は地域によってまちまち。うちは子どもが学校を終えてから6時半まで。あと長期休暇は朝7時半~夜6時半。
そもそも、指導員もまちまち。市の職員が指導員をしているところもあれば、日替わりのパートさんののつぎはぎでみているところもある。
>勤務時間や給与等の雇用体系に満足がいっている人間が多い職場であるならば、その長所を伸ばすような方策を取った方が良いのではないだろうか。
一理ある。でも、どうしたらいいのかね?
今の主婦層にもっとボランティアを要求するのが長所を伸ばすこと?
「若い人も必要」という意識は現場の人の多くは持ってる。
>星が現場にいることが(それも「食っていけない」ような環境で)、そのための最適な道なのかっていうのは疑問が湧くところでもある。
うん、現場からだけでは限界がある、というか、俺も奨学金とか返せないし、身動きとれなくなる。
>たとえば35歳の主婦が50歳まで働くことで有することのできる専門性をまずは模索するべきで、いきなりその間口を若人に広げる必要もないんじゃないかな。
かもしれないね。35で学童に入ってくる人もそんなにはいないけれど、それくらいから学童にかかわって今50後半というベテラン指導員が各地域を支えている現状はある。
俺が言いたかったのは、間口を広げる、ということよりも、今学童に関わっている若い人のことを考えてはいない、ということを言いたかったのです。
使い捨てでしょ、結局。
熱意がある主婦だってもちろんいる。そういう人たちによって学童が素晴らしい場所になっていくというビジョンが見えれば、任せているのだけれど、ホント一部なんです。
熱意を持ってやれる若い人より、熱意のない主婦層のために学童がある、というのなら、それは変だと思うので。
そもそも何のために学童があるの?って。
>まずは現有戦力の底上げがあり、そのことによる学童保育への需要増が発生し、
需要は現場戦力の底上げとはほぼリンクしないけどね。
>そのために営業時間や事業規模の拡大が生じた際に改めて若人を受け入れることの可否を考えれば良いんではないかと。
今いる若い人たちのことを考えなければそうなるかも。
>子どもたちに幸せや充実をプロバイドするという目的が先にあることを忘れずに、
うん、まだ学童保育の目的と今俺が話していた部分をあまりリンクさせていないから、そこももっと詳しく書くね。
ありがとう、頑張ります。