大田原

連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について③…再開発ビルの計画変更について

連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について③…再開発ビルの計画変更について_b0063162_412398.jpg
今は休館となっている大田原市立図書館

連載記事 これまでの、これからの大田原市中心市街地活性化について②…中心市街地の活性化って?の続きです。

1、千保前市長から津久井市長に変わってからの再開発ビルの計画変更について

平成22年3月、大田原市では市長選挙が行われていました。
中心市街地の活性化の事業の一つ、再開発ビルも大きな論点の一つであり、推進してきた千保現職市長と、それに批判的な津久井候補という構図になっていました。
その市長選の真っ只中、平成22年3月に、13階建ての再開発ビルの設計書が設計業務委託先から提出されています。

13階建てのビルの内容はこんなところです。
(ビルがイメージしやすいように上から書きますね)

13 展望レストラン
12 住宅
11 住宅
10 住宅
9 住宅
8 住宅
7 住宅
6 住宅
5 住宅
4 市民ギャラリー/美術館
3 図書館
2 交流センター
1 公益施設・商業施設

5〜12階の住宅は、高齢者住宅や公営住宅、権利者住宅です。
1階は医療モールもはいる予定だったようです。

平成22年の3月の市長選では、津久井候補が勝利し、津久井市長が誕生します。
津久井市長は、再開発ビルの中止も考えていたと思いますが、
内閣府の認定を受け進んでいる事業だということもありますし、
進んでいる事業を途中でやめるということは難しかったのでしょう。
建設後の維持管理費用の市民負担などを考え、
平成22年の7月にこのビルを7階建てに変更しました。
建設費は52億6000万円→およそ34億円と大幅な削減になりました。

そして、まもなく1階部分がオープンするtoko-tokoおおたわらは、こういう内容になりました。

7 住宅
6 住宅
5 住宅
4 まちなか図書館
3 こども未来館(子育て支援施設)、市民交流センター
2 こども未来館(子育て支援施設)
1 商業施設

規模の縮小については、星は基本的に共感しています。
やはり、13階では維持管理の負担が大きすぎるとおもいますし、
美術館はが運営費がかなりかかります。
市営住宅をビルに入れるべきだとも思えません。
ですが、今だに「13階でやるべきだった」という意見も聞きますし、
読んでくださっているみなさんも考えがありましたら聞かせていただきたいところです。

縮小にあたって、一番大きいトピックは図書館が移転することになった点だと星は考えています。
13階の計画では、現図書館を残したままもう一つ再開発ビル内に図書館を作るということになっていたようですが、
7階の計画では、今ある市立図書館を全面移転するということになりました。
大田原市議会の会派の一つである新政会のみなさんや星も、
「分室のような形でもいいので現図書館を残して欲しい」ということを一般質問などを通して伝えてきましたが、
それは叶いませんでした。

変更されたビルに図書館が入る理由については、
「市の施設で、市民がよく利用するのが図書館。図書館を街中に持ってくればにぎわいの創出になる」という旨の説明を受けてきました。
平成24年度の市政年報によると、大田原図書館は320日の開館で、20万人ちょっとの利用者がいます。
一日あたり、約630人。
それだけの人がきてくれれば、中心市街地にとっては嬉しいでしょう。

ですが、それはあくまでまちづくりのためにどう図書館を使うかという話です。
今の図書館を移転するのならば、一番肝心な「私たちの市の、私たちが使う図書館がどうあるべきか」という議論を丁寧にするべきだったと思います。
一度図書館が作られれば、短くとも数十年はその図書館を使うことになります。
自治体の文化の拠点である図書館のありかたが十分議論されたとは思えません。

竣工式で見させてもらいましたが、新しいまちなか図書館は広いワンフロアの、
とてもキレイな図書館です。
書架も低く、バリアフリー等に配慮したのだな、ということが伝わってきます。
蔵書の量は約20万点から約21万点と増えるようですが、
今の図書館は駐車場に車を止めたらすぐに図書館に入れるのに対し、
新しい図書館は基本的には立体駐車場に停めて空中廊下を渡り、
ビルの4階まで上がって利用する形になります。
立体駐車場については、お年寄りやお子さんのいる方からの安全面での不安の声を聴きます。
しかもその立体駐車場は一定時間以上とめておくとお金がかかります。
一つ一つは軽微な心理的なハードルかもしれませんが、
その積み重ねが利用率を下げてしまわないか、不安です。

現在レファレンス室等を除いて閉館になっている旧大田原市立図書館は、
多くの学生さんたちが使うレファレンス室で勉強できる形を残して、
ボランティアサークルなどの方が利用する生涯学習施設となるようです。

この13階から7階への変更や、中身の変更についても様々な意見があると思います。
ぜひあなたの意見を星にも聞かせてください。
新しいビルの中にあこども未来館については、指定管理と絡めて後に書きます。

続く
Commented by 匿名 at 2013-10-06 00:27 x
元大田原市民ですが、お役所仕事な感じがしますね。
行政が先んじて行う再開発事業って失敗が多いですが、これもそうなりそうな気がしました。
これは市民の意見も汲んで決めたのでしょうか。
図書館を入居させれば中心部が盛り上がるだろうというのも短絡的だと感じます。
立体駐車場の問題も、土地の取得の問題もあるかと思いますが、このビルを利用する利便性・安全性を考えると平面駐車場を整備するほうが賢明だと思いました。

テナントの問題ですが、1F部分は主に地権者や周辺の商店関係が入居するのは理解できます。
2、3Fの子ども未来館ですが、これは学童のようなものですか?
少子化と言われる中、利用者がどれだけいるか想定したのでしょうか。
また、利用無料でかつ1フロア半も必要か疑問です。
そして、交流センターという名の会議室ですが、こんな田舎に貸し会議室など必要なのかも疑問が残ります。(予想ですが、商工会あたりが主に使うのでしょう)
Commented by hoshimasato at 2013-10-12 08:57
>匿名さん
コメントありがとうございます。

>これは市民の意見も汲んで決めたのでしょうか。
津久井市長になってからのビルの変更の後の過程では、どのように市民の意見を汲んだかは私にはよくみえません。
議会ででた意見はビルにおいては反映されている実感はありません。

>立体駐車場
同様の意見をたくさんいただいています。
おっしゃる通り、立体駐車場にした理由は土地がない、という点に尽きるかとおもいます。

>子ども未来館
内容は、小学生までが遊べる室内遊戯施設、子育てサロン事業、一時預かりなどです。
学童は入りません。
雨の日に子どもが室内で遊べる場所がほとんどないので、近隣市町村も含めそれなりの利用はみこめるのではないかと思っています。

>交流センター
交流センターは図書館あとにできる生涯学習施設公民館などと役割がかぶるのでひつようないのでは、との懸念があります。
9月議会の一般質問で聞いた内容では、公民館などよりも広い利用用途で使われるようです。

またご意見、質問などあったらぜひお願いいたします。
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by hoshimasato | 2013-10-03 08:00 | 大田原 | Comments(2)

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